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教授ご挨拶

群馬大学医学部耳鼻咽喉科学教室のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

現在当教室を主宰しております近松一朗です。

 

耳鼻咽喉科・頭頸部外科学はいわゆるマイナー外科と呼ばれていますが、対象疾患は非常に多岐にわたり、領域ごとに様相もかなり異なっています。

また、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚器を対象にしていることに加え、発声や摂食・嚥下などヒトの生活の質(QOL)に非常に関わる診療科です。

今後の更なる高齢化に伴い悪性腫瘍の患者さんが増加することはもちろん、このような耳鼻咽喉科領域の機能障害をもった患者さんの数はますます増加してくることが予想されます。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域においては、電子工学や画像処理技術などの先端技術の進歩に伴ってマイクロ手術、人工内耳や鏡視下手術、ナビゲーション手術などの新しい技術や治療法が臨床の現場に登場してきました。

また、境界領域では他科との協力関係のもと治療を行うことが度々必要となってきております。

私たちの教室ではこれらの新しい技術を積極的に取り入れながら、他科との円滑なチーム医療を推進して診療面の更なる向上を目指しています。

がん治療に関しては、群馬大学は重粒子線医学センターが稼働しており、大学病院としては日本で唯一重粒子線治療が可能な病院です。

この重粒子線治療に加え、癌の基礎的研究の成果をベースにした新しい診断法や治療法といった先進医療の開発とその実践に取り組んでいます。

 

臨床研修医制度が始まり、地方に残る医師が激減し、特にマイナー系志望の医師が減っているのは群馬大学も同じ状況です。

それでもここ数年は毎年新人医師を迎えることができ、教室員もだんだんと増えてまいりました。

若手医師が増えることは、教室が活気づく一方で、彼らを一人前の耳鼻咽喉科医に育てていく責任があります。

目覚ましく進歩し高度化する医療についていくには、我々指導する立場の人間も日々の学びが欠かせません。

良い教育は若手とベテランの力がうまく融合して、ともに学び、研鑽できる環境が重要と考え、その体制整備に取り組んでいます。

 

大学病院の使命は診療、研究、教育と言われておりますが、近年は更に地域貢献・社会貢献及び国際化が新たな使命として位置づけられています。

群馬大学医学部耳鼻咽喉科は2014年に開講70年を迎えました。

教室の伝統を受け継ぎ、これら5つのミッションを高いレベルで達成していくのが我々の責務です。

皆様方には今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げてご挨拶とさせていただきます。

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