群馬大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科のHPをご覧いただきありがとうございます。
当科の教授の近松一朗です。
教授からのメッセージなんて、HPの看板だし、お堅いことしか書いていない、あるいは真面目なことしか書いていないと思われているでしょう。
その通りです。
まずは、通り一遍のどこの耳鼻咽喉科紹介にも書いてあることから簡単に述べさせていただきます。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科は、学生さんに聞くと中耳炎やアレルギー性鼻炎といったところのイメージから、額帯鏡を被った町のお医者さんといったイメージのようです。
まさにその通りです。
そういう地域医療に貢献する働き方もあります。
ただし、少し深く掘り下げると、耳鼻咽喉科の特徴は
1)かなり守備範囲が広い
2)内科的要素と外科的要素がある
3)すべての年代(赤ちゃんから老人まで)が対象になる
4)感覚器官を扱うため、QOLに関わることが多い
5)診断から治療まで自分で完遂できる
といったところでしょうか?
だから、一つのことに集中するのが好きな人も飽きっぽい人も、ガツガツやりたい人もふわっとやりたい人も、器用な人も不器用な人も、研究やりたい人も臨床一辺倒の人も、いろんなタイプの人が対応できます。
耳鼻科の守備範囲が広い=耳鼻科に適応できる人の範囲も広いとなるわけです。
ちなみに教室には、上記のような先生がひと通り揃っていますので、ご安心ください(笑)
ちょうど私は平成元年に医師になり、まさに平成時代を医師として成長してきたわけですが、耳鼻咽喉科に限らず医療の進歩は超高速です。
平成時代に耳鼻咽喉科領域の臨床現場に登場したものとして、PET、ファイバースコープ、内視鏡下手術、人工内耳、ロボット手術、分子標的薬や免疫療法などです。
このような医療技術や薬剤は一部の医師のみのものではありません。
多くの耳鼻咽喉科医が、昔だったら夢のような医療の進歩に関わりながら、自身の医師としてのキャリアアップができます。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科こそ、まさに、The GEKAだと思います。
鼓室形成術や喉頭枠組み手術のような、非常に繊細な手術、内視鏡下鼻副鼻腔手術のような患者さんにとって低侵襲な手術、頭頸部癌の手術のような非常にダイナミックな手術まで、まさにいろいろなタイプの手術があります。
手術の多くが機能外科手術として患者さんのQOLに関わりますので、治療後の患者さんの満足度も高いものがあります。
自身の技術を磨けば、患者さんに喜ばれるだけでなく、その世界の匠になることも可能です。
群馬県ということです!
実は、これが最大のメリットです。
私は九州出身ですが、こちらに赴任してきて感じたのは、東京まで1時間の距離は非常に魅力的であるということです。
世界最先端の文化や情報に1時間で触れることができるのです。
一方で、15分もあれば山や湖、そして温泉といった自然豊かで癒される環境に身を置くこともできます。
そうです、都会的生活と田舎的生活を満喫したい人にとって、なにより住みやすい場所です。
この良い環境下で教室の先生方が、より快適に生活できるように教室としても頑張らせていただいています(ここが大事なのはよ~く認識しております)。
最近、都会と地方の医師の偏重が大きく取り上げられています。
耳鼻咽喉科医もかなりの偏重があります。
人は求められて、そして認められてなんぼだと思います。
耳鼻咽喉科医がまだまだ足りない群馬県では、患者さんが、地域が、当科が、そして私が強く耳鼻咽喉科医を求めています。
さて、地方大学のメリットは、ひと通りいろんな疾患を経験できることです。
大学病院はどうしても頭頸部癌の患者さんが多くなりますが、それでもいろいろな疾患が経験できます。
また連携している病院では、耳鼻咽喉科のCommon diseasesについて多くのことを学べます。
ということは、専門医試験はNo problemということになります。
また、現在の教室の人員を見ると、若手医師が少しずつ多くなっていることも、大きなメリットだと思います。
若手がいることで教室はより活性化されていきます。
若い先生にとっては、同じく若手の上級医の背中を観ながら一緒に学んでいくことが、一番良いと思っています。
それでも困ったときは私を含めたベテラン医師がしっかりサポートします。
群馬県ということです!
快適な都市生活、医師として高いQOLが期待できる都会から1時間も離れています。
大所帯ではないので、切磋琢磨はできますが、残念ながら熾烈な生き残り競争はできません。
教室は、多くの先生によって形成されています。
みんなで力を合わせ、協力することで教室の力は個々の力の足し算以上のものになります。
みんなの力を合わせて、より質の高い、安全な医療を地域の方に提供すると同時に、教室の先生が個々の能力を遺憾なく発揮し、満足できる医者人生を歩める、そんな教室を目指していきたいと思っています。
私が教授になって、従来から在籍していた先生に加え、平均すると毎年2-3名の新たな仲間を迎えています。
どんな先生とめぐり合えるかは、私にとっても人生が大きく左右される重要なイベントです。
人と人の繋がりはプラスもあればマイナスもありますが、少なくとも人生を豊かにしてくれます。
当科に興味のある方は、いつでもご連絡ください。一緒に頑張りましょう。
「The whole is more than the sum of its parts: Aristotle」