近松です。
毎年4月恒例のAACRが14日から18日までということで、13日から19日まで渡米しておりました。
今回は久しぶりの一人参加となりました。
昨年のDCではトラブル続出でしたが、今年はChicagoですので安心の直行便です。
桜も散って、少し汗ばむ日本ですが、Chicagoはまだまだ冬でした。
到着日の気温が4度、その後もずっと最低気温は氷点下でした。
これはある程度予想していた数字なのですが、なんせ冬コートは既にクリーニングに出されており、コートがない!ということで、薄手のスプリングコートの装備でChicago上陸、案の定寒さにやられました。
しかも冷たい雨と強い風が更に追い打ちをかけます。
傘はさした瞬間に壊れて使いものにならなくなりました。
そのせいか、Chicagoの人はほとんど傘をさしていません。
Blizzzzzzaaaaaardになったらどうしようと心配していたら、4日目本当に雪が❄❄❄。うっすらと積もっていました。
こんな天気なので、Chicagoの摩天楼群をくっきり観ることができたのは最終日のみでした。
学会は世界中から癌研究をやっている方が集まります。
2,3年前くらいから急上昇した、癌に対する免疫療法関連演題がまだまだ隆盛を誇っています。
治療予測のバイオマーカー同定と更に治療効果の増強を狙ったCombination therapy (COMBO)の開発に多くの労力が使われているのがヒシヒシと伝わってくる学会でした。
また、それに関連して製薬会社やベンチャー企業などからの演題も増えているような気がします。
癌の遺伝子変異量や免疫細胞の解析などなど、こんなに検査をしていたら薬代よりも検査代が高額になるのでは?と妙なところが心配になりました。
通常の抗癌剤より体に優しいこの治療がもっと多くの癌患者さんに使えるようになると良いのですが・・・。
ちなみに、免疫療法関連の臨床試験は千の単位で行われているようです。
ここ最近の学会では、注目の臨床試験の結果や著名な研究者のLectureは、人が多いことに加えて、皆さんデジカメやスマホでスライドを撮影されています。
スライドが変わるたびに、一斉にカメラが上がるの繰り返しです(スライドの枚数分、皆さん両腕の上げ下げを繰り返しておられ、後ろで観ていると旗揚げゲームみたいです)。
おそらくあっちこっちで同様のことをされているのでしょうが、後でちゃんと観て勉強されるのでしょうか?
自分は絶対やらない自信があります。
Posterもとりあえず皆さん写真を撮っておられます。
親切な発表者はQRコードがポスターについており、それをスキャンすればポスターがダウンロードできるようです。
Poster演題を観ていると、最近の流行というわけではありませんが、遺伝子をはじめとした網羅的解析をheatmapなどで示されるデータが多く、しかも字が小さいので、老眼の私には字が読めず、色覚検査のようです。
そんな私には便利なものかもしれません。
さて、初日に会場をうろうろしているとどこかで聞いた声が・・・。
私の留学時のBossであるDr. Whitesideがいました。
相変わらず、どこかの誰かと熱く語っておられます。
挨拶に行くと、月曜日のポスター会場で会おうとなりました。
最近はこの学会関係で、毎年会っています。
彼女もかなりのお年なのに、まだまだ研究熱が冷めることなく、いろいろとお話ししました。
留学から既に20年近く経っているのに、このようにお付き合いができるのは嬉しい限りです。
さてさて、今回は気楽な一人旅でしたが、いろいろな方とお会いすることができました。
Dr.Whiteside以外にも、昨年学会でご一緒した国立がん研究センターの荒川先生と機内で会い、3日目は慶応大学の和佐野先生に手配いただいて浜松医大の三澤先生、今井先生、望月先生、千葉大の中川先生、国際医療福祉大学の金澤先生、奈良医大の太田先生らとご一緒させていただき、シカゴ名物の分厚くジューシーなディッシュピザを囲んで親交が深まりました。
AACRに日本の耳鼻科から結構な数の先生が来られているんだなと驚きでした。
そうは言っても耳鼻咽喉科で、頭頸部癌を専門にしている人で、基礎研究となると、本当にminorityだと思います。
大学は違ってもがん研究に頑張っている先生方とお知り合いになるのは嬉しいものです。
そんな気持ちになるのも、老いのせいでしょうか?
4日目は、共同研究しているアメリカの企業の方とも1年ぶりに会って、いろいろ今後の研究の話をしました。
また2015年にPhiladelphiaで同じ分野を研究していた日本人の研究者の方と知り合い名刺交換していたのですが、今回、たまたまPoster観ていたら、以前お会いしましたよねってことで、偶然再会した次第です。
いろいろな縁を感じる学会でした。
一人旅だったのに、最終日が学会中最初で最後の一人飯となりました。
シカゴで食べないといけないものと言えば、そうです、Steakです。
一人でSteak食べるのは、ちょっとハードルが上がるなと思いつつ、6年前に行ったSteak Houseの味が忘れられず再訪しました。
一人だったのですが、快く席に案内してくれ、ゆっくり味わうことができました。
ここはお肉以外に3種類のマッシュポテトトリオがお薦めです。
日常業務をこなしている毎日は、研究のことを集中して考える時間がなかなか取れないのですが、毎年この学会参加中は、自分にとって新しい話題を知り、知識を整理し、研究のアイデアを考える素敵な時間となっております。
得た知識をそのままに終わらさず、戻ってから手を動かすことがもっとも大事です。
少しでも前に進めるよう頑張りたいと思います。
最後に、私もChicagoに行きたいという方は、少し先ですが、2020年7月18-22日にAHNS 10th International Conference on Head and Neck Cancerがあります。
勉強することに加えて逸品のステーキとディッシュピザとポップコーンを食べたい方は、準備を始めてください。
サポートしますよ。