言語聴覚士の篠原です。
今回、2022年10月6日(木)~10月7日(金)に山形県で開催された第67回 日本聴覚医学会総会・学術講演会に参加したため報告致します。
今回の学会で多く取り上げられていたのは聴覚情報処理障害(以下、APD)・聞き取り困難症(LiD)に関する演題でした。
APDについては、最近メディアでもよく特集されることもあり用語が広く普及してきたように思います。当科を受診されるAPD疑いの患者さんも増えてきました。
しかし、APDの鑑別方法についてはまだ定まっておらず、
診断後の対応については
- ノイズキャンセリングイヤホンを紹介する
- 診断書を作成して職場に環境調整を努めてもらう
などで、それぞれの医療機関が患者さんのニーズをよく聞き、工夫して対応している、といった印象でした。
その中で特に印象に残ったのが、APD当事者の会である「APS」の存在です。
東京都を中心に活動しているようですが、SNSなどを通じてAPDに関する情報共有や啓蒙活動などを行っています。同じ不便さを感じながら生活している方同士が繋がることで不安や心配が軽減されると思われます。
今後、APD疑いの患者さんと臨床場面で関わる際に必要に応じてAPSについて情報提供していきたい、と感じました。
今回、このような学会参加の機会を頂き誠にありがとうございました。