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お知らせ

86th Annual Meeting of the American Thyroid Association

私、坂倉は、米国コロラド州デンバーで9月21日~25日に行われた、86th Annual Meeting of the American Thyroid Association (ATA, 第86回米国甲状腺学会)に出席・演題発表してきました。

家族で参加しましたが、レンタカーや宿泊、学会上でもでいろいろとアメリカらしいトラブルがあり、英語でケンカすることが多い道中でした。

 

初日は朝7時~夕6時までみっちりの、上級者向け超音波手技講習を受講しました。

内分泌内科・一般外科・耳鼻咽喉科の10人以上の講師によるレクチャーは、目から鱗の内容も多く、到着翌日にもかかわらず眠くならずに聴けました。

午後は5人くらいの班に分かれての実習で、種々の甲状腺疾患の実際の患者さんが多数、超音波検査の被検者として参加していたのが驚きでした。

また講義・実習共に、その半分が穿刺吸引細胞診についてで、マニアックな手技までいろいろ学べました。

私はactive memberなのに初めての参加でしたが、学会の内容的には基礎研究が思いのほかいまいちな印象でした。

特に私の専門の癌については、頭頸部扁平上皮癌よりも基礎研究が明らかに遅れていました。むしろ臨床関係の演題がまだ興味深かったです。

私は”Papillary thyroid carcinoma shows immunologically more suppressive features than anaplastic thyroid cancer”と題したポスター演題を発表してきました。

予後の良い乳頭癌は予後の悪い未分化癌に比べて免疫逃避能が高い、という試験管内の研究結果ですが、思ったより人が集まりました。「乳頭癌はいわば寄生虫ってことなんだな」という、ある研究者の言葉にちょっとうれしくなりました。

また驚いたのは、結構患者さんやその家族が、新しい治療法が発表されていないか、学会会場にかなりの数いたことです。

参加者の入れ墨率がかなり高い学会だなと思っていたら、いきなり私のポスターのところに来て「私の妻がもう5年も甲状腺乳頭癌で苦しんでいて、新しい治療を探している。あなたのポスターの内容は素人の私にはよく分からないので説明してほしい」と言われたのが、非常に印象に残っています。

 

家族は私の学会参加中に、あちこちの博物館や公園に行って大満足で、私もCoors Light発祥のビールの街だけに、夜も楽しめました。

観光は一日だけロッキーマウンテン国立公園に日帰りで行ってきました。

カナディアンロッキーに負けない雄大な大自然と、多くの野生動物に出会えました。

デンバー自体が標高1600m、国立公園内の車道の最高地点が3700mと、結構酸素が薄くて疲れる上に久しぶりの氷点下、しかも夕方から吹雪と結構大変でした。

 

今回は医局からは私一人の参加でしたが、サポートして下さった医局や同門会、その他関係者の方々に深く感謝いたします。

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