以下の新規論文がpublishされました。
Chikamatsu K, Takahashi H, Ida S, Tada H, Uchida M, Motegi M, Tomidokoro Y. Detection of circulating cancer-associated fibroblasts in head and neck squamous cell carcinoma and their impact on circulating tumor cells. Head Neck 2025;1–9.
血中循環癌細胞(CTC: Circulating Tumor Cells)は、原発巣から血流中に漏れ出た癌細胞であり、転移の「種」となる存在です。CTCを検出・解析することは、癌の治療効果の評価や再発リスク、予後の予測において非常に重要です。
しかし、血流という環境はCTCにとって過酷であり、その多くは生存できません。癌組織中には、癌関連線維芽細胞(CAF: Cancer-Associated Fibroblasts)が存在し、腫瘍の増殖、浸潤、転移、さらには免疫回避に寄与していることが知られています。
本研究では、CAFが血液中にも存在することを明らかにしました。さらに、これらのCAFがCTCと共存することで、CTCの性質に影響を与えている可能性が示唆されました。
オープンアクセスですので、どなたでもお読みになれます。
http://doi.org/10.1002/hed.28239