講師の坂倉です。
2017年10月5日(木)~10月7日(土)に、大分県別府市の別府国際コンベンションセンターで行われた、第60回日本甲状腺学会学術集会に参加してきました。
別府は以前にも学会で来たことがあり、観光も一通りしたことがあるのと、当科からは私一人の参加ということもあり、特に観光らしい観光せず、商店街で一人ラーメンをすすったり程度でした。
滞在中は天気もずっと悪く、また街中のホテルだったせいか、どこへ行っても日本語が聞こえてこない(笑)というのも、学会に集中できた原因かもしれません。
私は先天性下咽頭梨状陥凹瘻という、咽頭から甲状腺へとつながる先天奇形の管の19例の手術症例の検討という、世界にも類を見ない報告を口演発表してきました。
神戸の隈病院の院長である宮内先生が発見し、化膿性甲状腺炎や深頸部膿瘍の原因となることをLancet誌に報告した奇形で、群馬県では安岡先生が30年に渡って手術症例を蓄積してきました。
この奇形は発生母体の違いで2種類に分けられることが知られていますが、本発表ではその2種類の走行が違い、病態や症状も顕微鏡所見も違うことを報告しました。
発表が終わった瞬間に、発見者の宮内先生が立ち上がられ、様々な貴重なコメントを述べられた後、座長から私への質問もすかさず宮内先生が答えて下さり、私は結局発表後は何も話す必要もなく演壇を下りました(笑)
貴重な体験でした。
発表演題では、やはり最近相次いで発売された甲状腺癌に対する分子標的薬の治療効果についての報告や、一般にも広く認知された免疫チェックポイント阻害剤の一番多い副作用である甲状腺機能障害についての報告が目立ちました。
また甲状腺はメジャーな疾患の種類が少ないこともあり、各疾患毎の診療ガイドラインが次々と制定され、さらにどんどん改訂が重ねられており、専門医教育セミナーでも新版の変更点の解説が多く取り上げられていました。
ご支援いただいた同門会や教室関係の方々に深く感謝いたします。
また留守中に診療を肩代わりしていただいた、チームや医局の先生方にも感謝申し上げます。