大学病院勤務の御任です。
12月2日、第120回日本耳鼻咽喉科学会群馬県地方部会学術講演会が開催されました!
当医局からは2演題の発表がありました。
前橋赤十字病院からは、萩原先生が「長期留置された咽頭異物の一例」と題し、高齢者の義歯誤嚥症例について、文献的考察を含め報告いたしました。
長期臥床中の高齢者における義歯誤嚥は決して珍しくないため、一層の啓蒙が必要と感じました。
大学からは、松山先生が「好酸球性副鼻腔炎に対する抗IL-5受容体抗体(benralizumab)の効果」と題し発表いたしました。
近年臨床応用が進む、喘息に対する抗体医薬の一つである抗IL-5受容体抗体ですが、気道の好酸球除去効果が作用機序として知られており、好酸球性副鼻腔炎にも効果が期待されることから、当院内科での使用症例について、その上気道への作用について報告いたしました。
こうした抗体医薬の臨床応用は下気道(喘息)と比較し上気道(鼻副鼻腔炎)ではまだまだ進んでいないため、合併症例の蓄積と検討が必要と感じました。
特別講演の1つ目は、群馬大学大学院医学系研究科医療の質・安全学教授小松康宏先生による「医療の質・安全を考えるー国内外の現況と課題」でした。
普段何気なく診療している中にも、様々な危険が潜んでいることを、改めて実感しました。
起こりうる事故や危険を常に考え、想定し、対応することが、事故の予防につながり、より質の高い安全な医療を提供することができるのだと、学ぶことが出来ました。
今後の診療も、そうした危機意識を肝に銘じて取り組んで行きたいと思います。
2つ目は、順天堂大学耳鼻咽喉科学講座教授池田勝久先生による「鼻科診療におけるpitfall:アレルギー炎症、感染症、感染防止対策」でした。
アレルギー性・非アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を中心に、病態や最新のトピックス、治療や感染対策まで分かりやすく丁寧に解説してくださりました。
さっそく明日からの診療に役立たせて頂こうと思います。
ご講演くださった池田先生、小松先生、お忙しい中本当にありがとうございました。
一般演題で発表された先生方、お疲れ様でした。