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お知らせ

第37回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会

Hello、松山です。

第37回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 in 大阪、行ってきました。

 

行きの高崎駅でなんだか見たことがある人発見!

なんと伊勢崎市民病院のK先生。

声をかけると、学会に参加するとのこと(え!?)。

免疫アレルギー学会は耳鼻咽喉科学会の中でも基礎研究の演題が多い学会です。

(基礎研究から一番遠い人でしょーー)と失礼ながら思い、すかさず、なんで?と問うと、なんと、3月までの専門医更新のための単位が足りず、これから2か月足らずで領域講習、共通講習を8単位取るという荒行をするようです。

ええ!?この人やっぱりすごい!

 

専門医の制度をよく知らない方にとってみれば、この荒行がどんなにすごいことなのか、想像しにくいかもしれません。

例えば、あなたにとってすごく大事な試験があったとします。

その試験の受験には、必要な申請書類が何個かあります。

その申請期限当日、締切時刻は昼12時、その朝、やっと書類の準備を始めるみたいな感じです。

私も期限ぎりぎりにならないと動き出さない性分ですが、このK先生と、発表スライドを毎回、発表の数時間前に仕上げるN先生には負けますね。

畏敬の念すら沸きます。

さすが!

 

さて、本題の学会の内容です。

今回、当教室からは近松教授、マロちゃん(多田先生)、私の3人の参加でした。

学会全体としては、例年通り腫瘍免疫と好酸球性副鼻腔炎の演題が多数を占めておりましたが、今年は好酸球性副鼻腔炎の演題の方が多かったでしょうか。

当教室もやっとECRSの研究を始めました。

他施設に遅れはしましたが、方向性は間違っていないことは確認できたので良かったです。

 

初日は近松教授が、頭頸部癌免疫療法における基礎・臨床の両方の講演後にdiscussionを行う、Basic&Clinical Conferenceという企画の司会をされました。

教授が「Basicで明らかになったことをClinicalで行う。またClinicalで生じた問題を再度Basicで検討を行う。この循環が大事であり医学進歩に必要なことなのだ」と仰っていたことが印象に残っています。

 

2日目はマロちゃんが「頭頸部扁平上皮癌におけるPD-L1の発現-腫瘍組織と循環癌細胞の比較-」と題し、当教室での腫瘍免疫分野の研究成果を発表しました。

近年、抗PD-1抗体薬の頭頸部扁平上皮癌への臨床応用が進み、それに伴いPD-L1発現の臨床的意義が注目されています。

当教室が得意とする循環癌細胞(CTC)の解析手法を用いて、腫瘍組織とCTCにおける癌細胞のPD-L1の発現を比較検討し、報告いたしました。

さらなる今後の結果が楽しみです。

 

3日目は私の発表です。

「重症気管支喘息に合併する好酸球性副鼻腔炎に対してbenralizumabが著効した1例」と題し発表いたしました。

好酸球性副鼻腔炎(ECRS)では、組織での好酸球脱顆粒における好酸球炎症が深く病態にかかわっています。

同じく好酸球性炎症が深く関わるとされる喘息に対し、抗IL-5製剤であるBenralizumabが国内で保険適応になり、もうすぐ1年を迎えようとしています。

当教室で診察しているECRSの患者さんでも、喘息に対し抗IL-5製剤による加療を行っている方が数名いらっしゃいますが、抗IL-5製剤がECRSに及ぼす影響について、今回clinicalの立場から発表いたしました。

実際に血中の好酸球を抑えるとECRSはどうなるのか?

今回の学会はECRSの病態にかかわるBasicな演題が多かったですが、clinicalの立場から一石を投じることが出来たと思います。

 

学会中は教授、マロちゃん、私で串揚げを堪能しました。

3人で雑談しあっという間に時間が過ぎてしまいました。

 

私は関西医科大学眼科に勤務する旧友とも会ってきました。

彼は多額の借金をし、大阪都市部で眼科を開業するようです。

すごい。

 

最後に

みなさんは『クラッシャー上司』って知っていますか?

「優秀だった自分」のコピーを作り出すだけの上司をいうようです。

新幹線で読んだ記事の一部を改変し引用いたします。

 

旧来の価値観にとらわれないユニークな人材がイノベーションを生み出していくのだ。

そういう人材をチームのなかに上手く取り込んで行くことから新たな価値観が生まれてくる。

「優秀だった自分」のコピーを作り出すだけの上司は、イノベーションを潰していくことに気づかなければならない。

部下のユニークで荒削りな個性を尊重して、従来のシステムに取り込んで活用していくという視点が重要である。

 

…私は『クラッシャー上司』になっていないだろうか?

移りゆく車窓からの眺めに視線を任せながら、珍しくそんなことに深く考えを巡らせていたら、大阪で買った家族へのお土産(点々の餃子)を車内に忘れました。。。

 

学会中、病棟・外来をお任せしていた教室の先生方、発表を支援してくださった同門会の先生方、ありがとうございました。

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