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お知らせ

AACR Annual Meeting 最終章

はじめに

近松です。

3月29日から4月5日まで毎年恒例のAACR(アメリカ癌学会)に行ってきました。

今年はジョージア州アトランタです。

 

おそらくどなたもピンとこないかと思います。

1)20数年前にオリンピックがありました。

2)コカ・コーラの本社があります。

3)世界的メディアCNNの本社があります。

4)名作「風と共に去りぬ」の舞台です。

ここまでで、ぴんと来ない方は地図を見てください。

 

今回の旅は、皆さんが期待されているようなハプニングは皆無でしたが、アドレナリンが出て、喉が渇くようなminor happenings:

①乗り継ぎ空港で荷物のターンテーブルが故障

②ターミナル移動のモノレールが故障

③なぜか怒り狂うタクシーの運転手(マジで怖かった)

④空港に行くために呼んだタクシーが遅れること20分

⑤帰りの国際便が1時間30分遅れ等々

はもちろん盛り沢山でした。

 

The Machine Dr. Takahashi

今回は、多田先生が「Detection and molecular characterization of circulating tumor cells in advanced head and neck squamous cell carcinoma」を発表しました。

昨年11月のMiamiの学会、今年2月の免疫アレルギー学会、そして今回のAACRと学会を経るごとに着実にデータが増えて、発表に厚みが出てきました。

Miamiから4か月ですし、研究内容も良く理解していますので、4時間のポスター発表は2時間ほど放置しましたが、それなりに答えられていたようです。

Missouriの、とある大学のDr.が、彼女はスマートだって言ってくれました。

そろそろ論文書き始められるのでは?とジョークを交えながらも、本気眼で指令を出させていただきました。

来月の日耳鼻総会がこの仕事の総まとめでしょうか?

既に次の仕事を始める算段はしておりますが。

 

一方のSan Diegoに留学中の秀先生は、その遥か彼方をいっています。

アメリカでのデータをこれでもか!というくらいてんこ盛りで発表しておりました。

秀先生の同僚の方とご一緒する機会があり、秀先生のことを聞いてみると、

「He is the Data Producing Machine!!(あいつはデータ製造機だ!)」とか

「早朝から深夜までぶっ続けで働いている!」とか

褒めているのか?心配しているのか?はたまた非難しているのか?とにかく、He is machine!!を連呼していました。

イチローみたいにストイックな研究生活を送っていて、ラボのLegendになりそうな勢いです。

秀先生、ほどほどにお願いします。

 

AACRで逢いましょう

AACR恒例のAACRで逢いましょうは、今年も国立がん研究センターの荒川先生、留学していたときのBossであるProf. Whiteside、PhiladelphiaのThomas Jefferson Universityの寺井先生等々、多くの方は会おうって約束しているわけではないのに、「高崎イオン」と「けやきモール」を合わせたよりもずっと広い会場で、なぜかバッタリと出逢ってしまいます。

人の縁って不思議なものです。

Prof. Whitesideは御年80歳ながら、まだまだ研究最前線で仕事をされています。

CTCsのポスターを観て、原発巣の腫瘍との比較はどうなの?って鋭い質問、痛いとこ突きますねぇと思いつつ、アッ!?次にそれもやればいいんだって思いました。

80歳の患者さんって外来病棟で日々診ておりますが、こんな患者さんがいたら怖いくらいのエネルギーを放っていました。

 

巨匠との出会い

このような学会なので、チラ見も含めて、いわゆるがん免疫療法の基礎・臨床研究のパイオニアのような巨匠に遭うことができます。

今回も、ノーベル賞受賞のJames P. Allison博士、細胞療法の大家Steven A. Rosenberg博士、PD-1抗体の臨床試験を先導したSuzanne L. Topalian博士などです。

Topalian博士の講演は、キレッキレで、最新の話題を非常にわかりやすく、Bravoでした。

こういう素晴らしい講演は、まさに時間を忘れて聞き入ってしまいます。

写真のように私も講演できればと思った次第です。

 

足の疼き

さて、昨年6月に痛風発作をきたし、以来食生活には十分気をつけている身としては、やはり渡米は再発作のrisk factorとなります。

しかし、せっかくのStates、訪れた地方の名物料理、アメリカじゃないとなかなか口にできないもの、普段家で食べられないもの(食べさせてくれないもの)には、食指が動きます。

今回は

南部料理としてフライドチキン

 

アメリカと言えばステーキ

 

アメリカで外せないハンバーガー

 

他にもAmerican Breakfast等、アメリカに来たら食べておきたいものを食べていたら、なんだか足がムズムズと疼くような・・・。

喉元過ぎれば熱さ忘れるをまさに地で行くような食生活でした。

 

もちろん、そこにCokeも絡んできます。

食べたいものは確実に仕留め、一方で内服もしっかりの6泊8日でした。

多田先生とは食の嗜好が結構似ているのが、良かったのか悪かったのか・・・。

 

Starbucksにて

アメリカに行ってStarbucksに行かれた経験がある方はご存知でしょうが、向こうは注文すると名前を聞かれます。

日本人である自分の名前を言っても、店員さんはなかなかわからず、スペルを再度聞かれることが多いです(多田先生はこれがスタバに行くハードルを高くしていると言ってました)。

私はKAZUといつも言っているのですが、たった4つのアルファベットがなかなか相手に通じません。

今回は毎朝スタバでコーヒーを注文していたのですが、正解は4割くらい、KAVUはまだしも、KAVA(カバ)、KASU(カス)、KUZU(クズ)とアルバイトの店員さんに言われるとかなり凹んでします。

今回、アトランタのホテルはダウンタウンに位置し、早朝のまだ暗い時間は、道路に寝ている人や奇声を発している人が多く、店内にも人がテーブルに突っ伏していたり、寝ていたり、果ては食べているハムチーズクロワッサンをくれと言われたり、毎日妙な緊張感いっぱいでスタバに通っていました。

 

で、結局どうだったの?

学会会期中のことを徒然と書いてきましたが、これ書かないと、教授何しに行った?って言われそうなので・・・。

2,3年前は、免疫チェックポイント阻害剤の臨床試験や臨床効果の発表が多かったのが、すっかり減りました。

ASCOの方に演題が流れているのか?臨床試験をやってないのか?それとも良い結果が出ていないのか?

癌の基礎研究色に戻って来たなって印象です(私は、そちらの方が良いのですが)。

細胞はsingle cell levelでの解析が、組織は網羅的な解析が、莫大な研究費を使って行われており、資金のないところはなかなか太刀打ちできなくなってきているのではないかと感じます。

 

多田先生もやっている循環癌細胞やcell free DNAを中心としたLiquid Biopsyの研究はまさに今が旬って感じで演題も多いです。

臨床検査として、はやく技術が確立されて欲しいものです。

免疫関係はマクロファージ(TAM)やPD-L1含めた免疫チェックポイント分子が絡んだ研究が多く、癌微小環境の解明も間質細胞との関連がまだまだ熱いような印象でした。

今年、新たに大学院の先生が2名入学されたので、彼らにしっかりと研究シーズが提供できるように、勉強させてもらいました。

 

今回の学会中を通じて沢山の情報と刺激、そしてカロリーを得ることができたので、また明日からこれらを消費すべく頑張りたいと思います。

毎回、このようなexcitingな学会に行かせていただき、同門会の先生方には感謝申し上げます。

 

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