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お知らせ

AACR ANNUAL MEETING 2023 学会記

AACR ANNUAL MEETING 2023

April 14 – 19, 2023

Orange County Convention Center

Orlando, Florida

 

近松です。コロナ感染症が収束したわけではないですが、そろそろ出口が見えてきたこの時期、やっと海外の学会に参加の機会を得ることができました。

3年前サンディエゴで開催されたこの学会に参加するつもりで参加登録、ホテルと飛行機予約まで準備万端でしたが、コロナ感染拡大で行けなくなりました。本当に長い4年でした。

さて、今回はフロリダのオーランドで開催です。オーランドってどこ?そうです、ディズニーワールドに加え、ユニバーサルスタジオ、シーワールドといったテーマパーク満載で、本当に学会に参加するの?・・・って疑われるような開催地です。

3年半ぶりの出国、これまでのロストバゲージ、飛行機の遅延等々数々のトラブルがもはやPTSDとなっている身にとっては、出発日が近づくにつれてウキウキというよりもいく分どんよりした気分でした。

同行はいつもの多田先生です。最近ドバイに行かれた多田先生はポストコロナの海外渡航の先輩であり、今回は多田先生の後ろをついていきました。羽田空港は人人人の状況で、ごった返しです。トラブルが起こる予感満載でしたが、前日にシュミレーションしていたのでなんとか無事に出国(多田先生はこの時点で買い物病を発病し、免税店を荒らしていました)。まずはヒューストンまでの飛行です。入国審査を終わったところで、多田先生を待っていると、なにやら別室に連行されています。「まじか!?」

係の人に聞いたら、なんでもスーツケースの荷物で引っかかったとのこと。下のBaggage claimで待ってろの指示。きっと免税店で購入した貴金属が引っかかった?あるいは大量に持ち込んだトムヤンクン味のカップラーメンを検疫探知犬に見つかった?のだろうと一人納得していました。詳細は多田先生の報告をご覧ください。

その後無事乗り継ぎ完了、オーランド到着です。テーマパークの広告があちこちに溢れ、バカンス気分にならないわけがない。荷物も無事にロストすることなく、ゲットできました(私の荷物が出てきた時点で、多田先生はチッと舌打ちをしていましたが・・・。)以前習得したUber(ride share)で車を呼んでなんなくホテルへという流れです。

翌日から学会に参加。

 

もはやコロナ前と同じく参加者で溢れかえっていました。しかもマスクしている人がまったくいない。写真のように「ウォーリーを探せ」並みにマスクしている人を探すのが難しい状況です。

 

プログラム見ていると、どんどん気分が爆上がりしてきました。聞きたいシンポがいくつもあり、ポスター会場も廻っていると時間がなくなるような状況で久しぶりに知的欲求が満たせました。この感覚、本当に久しぶりです。

 

海外に行くと野菜不足になりがちで、いつも食事には悩まされます。特に生活習慣病と日々戦い続けている私にとってアメリカは危険な地域ですが、そこは視点を変えて普段食べる機会が制限されているものを食べてみようと写真のようなものをいろいろトライしてみました。

 

3日目には、京都府医大耳鼻咽喉科の辻川先生、木村先生、森本先生と一緒にステーキ店でワイン片手に夕食会です。お互いに親交を深めつつ、しっかりAging Beefを食べました。多田セレクションのお店に皆さん大満足でした。私も400gのステーキを美味しく完食しました。今後AACRで公式行事化されるかもしれませんね。

最終日は午前中で学会が終わりましたので、さてどうしようかとなり、Uber使って近くのショッピングモールへ、アメリカの雰囲気を味わって私の学会は終了です。

 

翌日は、オーランド→ヒューストン→羽田と無事帰国できました。

ヒューストンと言えばNASA宇宙センターが有名ですが、そのせいか帰りの飛行機はスターウォーズジェットでした。

 

旅のトラブルを期待した皆様、今回は本当にスムーズな旅で大変申し訳ありません。私はコロナ禍で渡米しなかった間にアメリカの要注意人物リストから削除されたのかもしれません。代わりに多田先生がリスト入りした可能性大ですが・・・。

 

最後に学会が楽しかった、美味しかったの話で終わると皆さんに勘違いされるので、AACR2023に参加して

学術編

  1. コロナワクチンで一気に開発が進んだmRNAワクチンと免疫療法の併用がきました。既に臨床試験が進んでおります。
  2. 次世代シークエンサーが手軽なツールとして使われています。お金どうしてるのかな?といつも思いますが、必要最小限、ポイントを絞って使うととっても良いツールです。
  3. インドの勢いを感じました。ご存知のようにインドは頭頸部癌の多い国です。面白そうな研究と思って観ていると、結構インドからの演題の確率が高かったです。しかもレベルが高く、今後リサーチの分野でも注目国と感じました。
  4. がんオルガノイド培養技術の発達。オルガノイドは組織の特性を保ちながら生体外で増殖する三次元構造体を指します。癌細胞から作り出されたオルガノイドは、今後の薬剤感受性や免疫療法の効果予測に汎用されるツールになりそうです。
  5. 次の免疫チェックポイント阻害剤の開発。PD-1、CTLA-4に続く免疫チェックポイント阻害剤がまもなく出てきそうです。
  6. ポスター発表ではポスター横に演者の方が立っているのですが、向こうの方の質問してくれ圧が半端ないです。本当にぐいぐい寄ってこられます!ショッピングで良く使う「just looking」のフレーズが言える雰囲気ではありません。その分、こちらもしっかりポスター観て何か質問しないといけないと思い、頭フル回転です。この姿勢は若い人にも見習ってほしいところですが・・・。日本は「貼り逃げ」という言葉がありますが、彼らにとっては「No way!」ってところでしょう。

 

生活編

  1. トイレ事情がまったく進歩していません。日本に慣れると辛いです。
  2. キャッシュレスが半端ないです。今回、本当に必要だったのはホテルのハウスキーピングへのチップ$3のみでした。その分、携帯はパスポートに次いで大事なものになりました。いやいやパスポートと同じくらい大事だと思います。
  3. Ride share(今回はUberを利用)が非常に便利。数年前に高橋先生に伝授いただき、3年半ぶりでしたが配車のみならず、予約から途中の連絡までいろいろ覚えることができました。日本にももっと導入されると便利になるなと思います。

 

今回は、和歌山での免疫アレルギー感染症学会からの渡米となり、10日間も留守にしてしまいました。今回得た知識を今後の研究に活かせるように自身にプレッシャーをかけています。2024年はカリフォルニアのサンディエゴ、そうです、3年前に行けなかったところで開催です。お気に入りのRichard Walker’s Pancake Houseでパンケーキ食べることを目標に頑張りたいと思います。

 

長期不在中にお世話になった教室スタッフの皆さん、今回の出張に際していつもご支援いただいている同門会や地方部会の先生方に感謝申し上げます。

 

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