井田です。2023/6/15-16に開催された第47回頭頸部癌学会総会・学術講演会@大阪に参加して参りましたので、恒例の学会報告をさせて頂きます。
度々、学会報告を書かせて頂いておりますので、またお前かと思われないよう今回は短めに報告します!
当科からは近松教授と僕の二人が参加しました。
近松教授は「HPV関連頭頸部癌における抗p53特異的CTLの同定と免疫チェックポイント阻害による反応増強効果の解析」の題で、また僕は「HPV関連中咽頭扁平上皮癌の循環癌細胞における上皮観葉転換遺伝子発現とその臨床的意義」の題にて、近松ラボでの頭頸部癌の腫瘍免疫に関する研究のテーマや結果について基礎系のセッションにて発表して参りました。個人的にはここ数回の学会発表を通して基礎系の発表の雰囲気にも大分慣れてきたと感じ、落ち着いて発表・質疑応答をできた印象でした。
また今回の学会では当科OBであられる、あい駒形クリニックの高橋秀行先生も参加・発表されておりました。大阪らしく3人で粉もんを食べに行きましたが、久しぶりの再開となった教授・秀先生は食事中も頭頸部癌研究に関する議論を交わしておられました。久しぶりに会った二人の議論はお好み焼きの鉄板よりも熱いものでした。
さて、今回の学会のテーマは「頭頸部癌新世紀」でした。僕自身、やっとコロナが明けて本当に久しぶりの頭頸部癌学会の現地参加でしたが、やはり学会会場で得られる情報は非常に鮮度が高く、時代と共に刻々と変わりゆく頭頸部癌診療の先端的な情報を多施設からの報告で感じ取ることができ、本当に勉強になりました。
再発例に対する光免疫治療やBNCT、またついに頭頸部領域で適応となったダビンチサージカルシステムによるロボット手術(TORS)など、今正に、頭頸部癌治療は「新世紀」を迎えていると実感しています。
これらの新治療を群馬県の患者さんへ提供できるよう、当科でも日々準備を進めております。写真は先日近松教授とロボット手術のトレーニングコースに参加したときの一枚です。
かつて未来の治療と思われていた新治療が、すぐそこまで来ています。
文責:井田