専攻医1年目の角張です。2024年2月1日〜2日に愛媛県松山市愛媛県県民文化会館で行われた第33回日本頭頸部外科学会総会ならびに学術講演会に参加させていただきましたので報告いたします。
恒例の学会報告記ですが、角張のデビュー記事になりますので、まとまりのない文章になってしまうことをご容赦ください(…実は4年前の頭頸部外科学会@沖縄でも学生という立場で書かせていただいているのですが…そちらはノーカウントとさせてください…)。
当科からは、演題発表者として自分と茂木先生、また座長として富所先生と近松先生、さらに臨床実習で当科を選択して下さった学生さん3名での比較的大所帯での参加となりました。学生さんも報告記を書いてくれました。一部内容が重複することご容赦ください。
個人的なことですが、プライベートも含めて、今回が「四国」初上陸となりました。嬉しさ半分・後述の緊張半分といった心境で愛媛の地に降り立ちました。
角張は、「鼻腔原発上皮筋上皮癌の1例」として、唾液腺腫瘍の中でも比較的稀で、低悪性度腫瘍とされる上皮筋上皮癌が今回、極めて稀である鼻腔内に発生し、また内視鏡下に摘出し得た症例を報告させていただきました。
今回が学会発表のデビュー戦である私は、前日から宿泊ホテルの自室にて、事前に何度もチェックしたはずのスライドと事前に何度も読み込んだはずの文献などと睨めっこしながら、あまり寝付けずといった具合の緊張状態の中での発表となりました。事前の近松先生をはじめとする医局の諸先生方のご指導やご助言のおかげもあり、大きなトラブルなく、またフロアから頂きましたご質問にも(おそらく?)見当外れではないような返答が出来、発表を終えることが出来たと思っております。一方で「もっとこうしたかった。」「こうすればよかった。」といった反省点があったのも事実で、こういった場での経験をもっと積んでいきたいなと思った次第です。
また、当科からは茂木先生が、「乳突腔障害に対する乳突腔充填術の工夫」として発表されました。実にスマートかつ分かりやすいスライドや手術動画と話術で、内容もさることながら発表のテクニックやスライドの構成など大変勉強になりました。自分も次回以降の発表の際にぜひ参考にさせて頂きます。
私自身の演題発表は1日目かつ朝一番のセッションだったこともあり、発表後は落ち着いて学会を楽しむことができました。今年度5月にも(入局した年の慣例となっている)日耳鼻総会に参加させて頂きましたが、その時よりも多少なりとも実際の自分自身の診療上での実感や共感を持って、様々な演題を拝聴させて頂きました。
学会会場といえば、書籍コーナーもチェックです。種々の演題を拝聴させて頂いた直後で、勉強欲爆発といった具合にいくつか気になった教科書や本を購入しました。積んだまま開かない本にならないように勉強に励みます!
また、会場には愛媛らしく、「みかんジュースの蛇口」なるものも設置されており、ことあるごとに休憩させていただきました。美味しかったです。
「みかんジュース」に加えて、「VR体験コーナー」なるものも用意されていました。AR/VR技術の医療現場への応用の可能性を実際に体験できるブースです。術中、視界の一部に解剖画像や3Dモデル、参考動画を表示したり、必要な情報を適宜呼び出すことができたりと、まるでSFの世界の趣でした。また、記録した手術中の術野動画をVR映像として後日に共有するといった、私のような若手医師への教育分野でも活用が期待できるとのこと。ブースでは頸部郭清の動画を見させていただきましたが、まるで自分が手術助手としてその手術に立ち会っているような体験(術野の拡大・早送り・巻き戻し等も目線誘導やコントローラーの操作で自由自在でした。立ち会う以上の経験かも知れません。)でした。ご指導頂いた愛媛大学の先生方ともお話をさせていただきましたが、実際に手術室でこういったヘッドマウントディスプレイが活躍する日も近いのでしょうか。
体験する近松先生・茂木先生・角張です。傍から見ると「何をしているの?」といった具合ですが(笑) 、3人で、はしゃいでしまいました。
会場外では、こちらも恒例の懇親会です。以前まで愛媛で診療にあたられていた富所先生がおすすめして下さったお店で、今回学会に参加されていました前橋日赤の紫野先生も一緒に、参加者みんなで楽しくお話ができました。ご飯も月並な感想ですが、とても美味しかったです。
ところで、角張は今回が初訪問となった松山ですが、とても過ごしやすそうな良い街だなと思いました。気候は群馬に比べると冬場はいくらか暖かく温暖なようですし、街も人や車が混み合い過ぎずに、かといって生活に困るような不便さもありません。路面電車なんてものも走っており、公共交通機関も比較的充実しているようにも見えました。市内には空港もあれば、皆様ご存知の「道後温泉」もあります。また愛媛は「水産王国」でもあるようです。実際に名物の「鯛めし」帰りの空港で食べましたが、美味しかったです。
今回、そんな地での学会となりましたが、非常に充実した2日間を過ごさせて頂きました。最後に、学会に快く送り出してくださった医局の皆様、同門の先生方にこの場をお借りして感謝申し上げます。