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お知らせ

第48回日本頭頸部癌学会総会・学術講演会 学会報告記

第48回日本頭頸部癌学会総会・学術講演会

 

こんにちは、シニアレジデントの角張です。2024年6月20日~21日に静岡県浜松市アクトシティ浜松で行われました第48回日本頭頸部癌学会総会・学術講演会に参加させていただきましたので、報告いたします。

今回当科からは、演題発表者として角張、座長並びに教育セミナーの演者として近松先生の2名で参加してきました。

1日目にポスター発表予定だった私は、朝イチのポスター貼り作業もあるから…と前日入りして、体調を整えました。前日の夕食は気合いを入れるために、そして浜松といえばやはりということで「鰻」をいただきました。余談ですが、今回はランチョンセミナーも鰻弁当でした。(なんと豪華な!)

早速、学会当日の報告になりますが、私個人は耳鼻科の先生方以外も参加される学会に初めて参加させていただきました。形成外科の先生、口腔外科の先生、放射線科の先生、または看護師さんの演題を様々拝聴させていただき、今までの学会とはまた少し雰囲気の違った、演題の切り口や会場の雰囲気でとても新鮮でした。特に印象に残ったのは、癌手術における再建術に関わる群の発表です。遊離空腸をはじめ、上顎下顎や口腔など複数の群がありましたが、いずれも形成外科の先生方がメインで演題を出されていたようです。正直、日々の診療の中でなかなか深くは勉強できていなかった分野でもありますが、常に合併症が付きまとう気の抜けない手術でもあります。自分の無知を恥じるとともに大変勉強になる有意義な機会となりました。

 

さて、当の私ですが、「鼻腔原発孤立性線維性腫瘍の1例」としてポスター発表させていただきました。頭頸部領域の発生としては比較的稀なSolitary fibrous tumorですが、今回術前の腫瘍栄養血管に対するコイル塞栓術により、外切開を加えず、良好な視野での完全摘出が可能であった、今後良好な予後経過が期待できる症例を報告させていただきました。初めてのポスター発表でoralの発表よりも準備も含めて少し大変ではありましたが、事前の近松先生はじめ、医局の先生方のご指導のおかげもあり、無難に発表を終えることができたと思います。(1例報告でもあり、そこまで聴衆も盛り上がらないかと思っていたのですが、思いの外たくさんのご質問・ご意見をいただき、ありがたかったです。)ポスター作成時の聴衆により伝わりやすくなるような構図や、oralよりも短い時間での要点を絞った発表などなど…まだまだ改善点はたくさんといった具合で、他の演者の先生方を参考にもっと改善していきたいなと思いました。また、ポスター発表もoralとは違った意味で、聴衆の先生方との近さや気軽さがあり、事前に発表内容に目を通せることもあって、屈託ない質疑や意見交換ができる場であるなと再認識いたしました。

また、近松先生の(座長のお姿を拝見することはできなかったのですが、)教育セミナーでの講演も拝聴させていただきました。「頭頸部がんに対して、なぜ免疫療法が効くのか?」というテーマのもと、少し難解になりがちな基礎研究の内容含めて、端的に分かりやすい発表や座長の先生方とディスカッションをされており、なぜだが私も誇らしくなったような気分です(笑)。同セミナー内でも触れられていましたし、他の薬物療法・免疫療法の群でも多数の演題がありましたが、頭頸部癌に対して、ICIが承認されてから5年以上が経とうとしている今、ICIの所謂「リアルワールドデータ」(治療実績)をもとにした解析が活発に進められています。CPS/TPS以外の予後予測マーカーの開発をはじめ、実に様々な臨床的検討がなされていることを改めて知れて、とても刺激になりました。

 

ちなみに初日の夜は、頭頸部癌学会恒例の、各科合同懇親会です。口腔外科・形成外科・重粒子センターの先生方と診療に関わる真面目な話から、たわいない話まで、実に沢山のお話をさせていただくことができました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

それ以外にも、空き時間には「浜松餃子」も美味しくいただきました。心残りがあるとするならば、今回宿泊および学会会場のすぐそばにあった駅前の百貨店にも、言わずと知れた「さわやか」が入っており、ハンバーグをぜひ食べたかったのですが、如何せんとにかく混んでいたため断念したことでしょうか。またの機会に挑戦します。

もう一つ余談を失礼します。会場の書籍コーナーを眺めていると、耳鼻科・口腔外科・形成外科の教科書・関連雑誌に加えて、「生成AI×医療」に関する書籍を立ち読みする諸先生方が沢山いらっしゃるのに気づきました。試しに私も1冊購入。書店のお姉さんがおっしゃるには、教科書や新刊ガイドラインを押しのけて、なんとこの2日間で一番売れているとのこと。当科の某先生のように今時は生成AIを上手く活用するスキルが医師として必要とされる日も遠くないかもしれません。

最後になりますが、学会に快く送り出してくださった医局の皆様、常日頃よりお世話になっております同門の先生方にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。

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