AACR2025@Chicago
久しぶりに学会報告記を書かせていただきました、近松です。
秋田での免疫アレルギー感染症学会が終わった翌週、毎年恒例のAACR2025に参加してきました。今年の開催地は、“Windy City”ことシカゴ。高橋先生、多田先生と3人で現地入りしました。久々にこのメンバーでの参加でしたが、気心の知れた阿吽の呼吸の3人なので、とても気楽な出張となりました。
前回のシカゴ開催時は雪に悩まされましたが、今回は雪はなし。でも雨と風はしっかりあり、気温は毎日10℃前後とやっぱり寒かったです(多田先生には体調管理の面でもいろいろ気遣っていただき、本当に助けられました)。
今回の発表では、高橋先生が
「CD4+CD103+ tissue-resident memory T cells correlate with unfavorable prognosis in patients with head and neck cancer」、
多田先生が
「The significance of circulating tumor cells and circulating tumor DNA as prognostic markers in human papillomavirus-positive head and neck squamous cell carcinoma」
という演題でそれぞれ発表されました。お二人とも地道に研究を継続されていて、近いうちに論文化されるとのこと。そんな姿に刺激を受けて、私も頑張らないとなぁと気持ちを新たにしました。
時差ボケで毎朝5時に目が覚め、近くのDunkin Donutsで朝食を調達してから7時過ぎには学会場へ。たくさんのレクチャーを聞いてきました。毎年のことながら、アイデアの豊富さには本当に驚かされます。最先端技術と潤沢な資金を使った“王道”の研究も素晴らしいですが、Poster sessionでは“瓢箪から駒”のようなユニークな発想の研究もたくさんあって、今後の参考にしたいものが多くありました。
そして、今回は事前に“Must-eat foods in Chicago”リストを作ってお店を予約していたので、食事の悩みはゼロ。Deep Dish Pizzaやステーキなど、シカゴグルメを堪能しました(この辺りの詳細は、多田先生の報告をぜひご覧ください)。
私の今回の楽しみの一つは、昨年のAACRでお会いしたThomas Jefferson Universityの寺井先生との再会でした。2月に「今年も参加されますか?」とご連絡をいただき、「みんなでアメリカの日本食を食べましょう」という話になっていたのですが、なんと前日に突然メールが。
“Forgive to change our plan last minutes. However, my PI wants to go to ballpark to see Phillies game after conference on Sunday. He already purchased five tickets including you and your associates.”
一瞬どうするか迷いましたが、「せっかくだし行ってみよう!」ということで、みんなでWrigley Fieldに集合。直前に買ったチケットなので、外野あるいは内野の端っこかな?と思っていたら、まさかのバックネット裏。キャッチャーミットにボールが吸い込まれる音まで聞こえる好位置で、鈴木誠也を応援!(残念ながらCubsは負けてしまいましたが…)寺井先生方はPhilliesファンだったので、大満足の様子。しかも中継に5人しっかり映っていました(スコアボードの上の5人)。こういう突発イベントも、海外学会ならではの楽しみかもしれません(ちなみに多田先生にとっては人生初の野球観戦だったとか!)。
球場ではあまり話せなかったので、翌日には寺井先生のPIである佐藤隆美先生とじっくり研究の話もでき、非常に有意義な時間となりました。多田先生、もしかしてそのうち留学するかも…?(笑)
そんなこんなで、今回もいろんな体験をし、現地の名物を食べ、研究のネタも仕込みつつ、帰路につきました。来年のAACRはサンディエゴ。今回、多田先生のPosterには質問者の列ができていて、真剣に応答する姿が印象的でした。それを見ていたら、「来年は自分も発表したいな」と思いました。
学会発表は準備が大変で、つい後回しになりがちですが、それ以上に得られるものが大きいとあらためて実感しました。ぜひ若い先生方も挑戦してほしいと思います。こうして充実した経験ができるのも、いつも応援してくださる同門の先生方のおかげです。本当にありがとうございます。