シニアレジデントの江澤です。
冬の寒さが緩んできた頃、2022年3月3日・4日の2日間にわたり、第31回日本頭頸部外科学会総会ならびに学術講演会が開催されました。
会場は大阪市のコングレコンベンションセンターで、当科からは近松教授が座長として、私と佐藤先生が口演発表、また新國先生がオンデマンドで発表されました。感染対策に気をつけつつ、2泊3日で参加して参りました。
私は3月2日夜に現地到着しました。大阪駅周辺は、大きな商業施設の中に洗練されたショップが建ち並び、一方地下には飲食店が混み合って立ち並んだ横町がいくつもあり、都会的な雰囲気と下町のような賑わいが同居する楽しい町並みでした。
発表は全員3月3日で、私は「鼻中隔原発多形腺腫の一例」という題で発表しました。当初悪性が疑われた鼻中隔原発多形腺腫の症例を提示し、鼻副鼻腔原発の多形腺腫は鼻中隔発生が最多で早期発見されやすいですが、最終病理では一部癌の報告があり、術式は悪性転化の可能性を考え慎重に決める必要がある、という主旨です。初めての発表で前日から緊張していましたが、落ち着いて発表できました。新國先生をはじめ、ご指導頂いた先生方にはこの場を借りてお礼申し上げます。
その後佐藤先生は「真珠腫性中耳炎と鑑別を要した中耳原発粘膜悪性黒色腫の一例」という題で発表されました。会場からは画像所見などの鑑別ポイントは勉強になったと声が挙がりました。また新國先生はオンデマンドで「鼻中隔炎症性筋線維芽細胞性腫瘍の一例」という題にて発表されました。珍しい症例に会場参加の先生方も討論が盛り上がりました。
発表が終わった夜、近松教授と同期3人でグランフロント大阪の高級ステーキハウスへ行き、高級ステーキ(Tボーン、リブ、フィレ、ラムの4種類)など、ご馳走を黙食しました。すべて美味しかったですが、特にフィレは口の中でとろけてしまうほどでした。
学会の話に戻りますが、各セミナーも充実しており、教育セミナーでは各手術の手法のポイントや検査方法についてのわかりやすい講義があり、普段の診療に生かせる内容でした。ランチョンセミナーでは実臨床に基づいた再発・転移頭頚部癌の薬物療法シークエンス、隈病院伊藤先生による甲状腺全摘後のホルモン補充療法を受講し、判断に悩む症例の順序立った治療や内科的な視点を学ぶことができ、非常に勉強になりました。ハンズオンセミナーでは頚部超音波検査を参加者同士で行いながら学ぶ内容でした。超音波は実際日常診療に生かせる場面が多いことを痛感しました。
最終日のおやつに同期3人で大阪でも有名なたこ焼きを食べましたが、外はサクサク、中はふわっと柔らかく生蛸が入っており、とても美味しかったです。屋外に面したところだったので、換気も良く寒いくらいでしたが、熱々のたこ焼きを立って食べると芯から暖まりました。
全プログラムが終わり解散した後、たこ焼きの感動が忘れられず、夕食は阪急の明石焼き屋さんで食べました。お出汁がフワフワのたこ焼きに染みて優しい味わいでした。
今回、初めて学会で現地参加・発表してみて、日常診療で勉強になった内容を学会で共有したり、学ぶことの重要性を実感しました。今後もまた機会があれば学会参加・発表ができたらと思います。最後に、今回の学会参加を支援してくださった医会、同門会の先生方に、この場をお借りし、厚く感謝申し上げます。