こんにちは、茂木です。
昨年に続きCOSM(Combined Otolaryngology Spring Meetings)に参加してきました。
(去年の記事はこちらをご参照ください → https://jibika.med.gunma-u.ac.jp/?p=4613 )
今年の開催地は、ニューオーリンズ。カラフルなヨーロッパ調の建物が立ち並び、いかにもアメリカ南部といった趣です。ジャズに代表されるような音楽の街としても有名ですね。
5月なのに現地の外気温はすでに30℃超え。もう夏です。スーツ姿の私は会場に着く前から汗だくになっていました。
今回、ポスターで発表したテーマは、思春期の難聴を経験した耳鼻咽喉科専門医がChatGPTの応答を評価し、心理社会的支援ツールとしての有用性と課題を明らかにしたというもの。いわゆる当事者研究ですね。ご協力いただいた、日本各地の先生方、本当にありがとうございました。以前から学会などでお世話になっている先生方ですが、改めて繋がりの大切さを実感できました。
ちなみに今年はAI関連の演題は控えめだった印象です。もうこの領域でのChatGPTブームのピークは過ぎたのでしょうか。時代の流れは早いですね。
主に参加した学会はAmerican Neurotology Society。相変わらず人工内耳と聴神経腫瘍に関する発表が多数。人工内耳関連では、特に低音域残聴温存やプレカーブ型電極とストレート型電極での語音成績の違いなど、電極形状に関連する研究が多く見受けられました。
個人的に興味深かったのは、放射線治療が骨導インプラントの治療成績および合併症に及ぼす長期的影響に関する報告。また、今後日本で導入されることが決まっている新規骨導インプラントOsiaの皮膚切開の工夫についても学べました。まだ症例経験がないデバイスだけに、興味深々です。
オフタイムには、「国立第二次世界大戦博物館」にも足を延ばします。正直、「戦争の博物館なんてお堅い展示かな?」と思っていたのですが、意外や意外、ここは全く違いました。単なる資料の羅列ではなく、兵士や市民一人ひとりの目線に立ち、ストーリーが仕立てられています。完全なるアメリカの視点ですから、日本軍は、捉えどころのない、不気味な、残忍で冷徹な軍隊と描かれています。さらに、爆撃機の操縦席や潜水艦内部を再現したブースでは、自分がまるで戦場にいるかのような没入型体験が味わえます。医療とは直接関係ない分野ですが、新鮮な視点で物事を見るきっかけになりました。
学会後は、神戸大と奈良医大の先生と音楽の街ニューオーリンズならではの体験へ。プリザベーション・ホール——フレンチクォーターにある歴史あるライブハウスです。トランペット、クラリネット、トロンボーン、ピアノ、ドラムと5人編成のバンドが繰り出すジャズを堪能しました。
さらに翌日には、新潟大学や大阪大学の先生方と現地のケイジャン料理をご一緒しました。日本でもお馴染みのジャンバラヤに、ガンボ、エトフェ…濃厚な旨味に舌鼓。堀井先生、ごちそうさまでした!
ちなみに今回COSM初参加の先生の中に、昨年茂木が書いたブログを参加前に読んでくださった方がいらっしゃったそうです。「ブログ読みました!」と声をかけていただいて、書いた甲斐があるなと嬉しくなりました。
一見普通のホットドックに見えますが、実はアリゲーター・ソーセージ。 美味でした。。。
ニューオーリンズ。エネルギッシュだけれども、不思議と肩の力が抜けた街でした。
この後、茂木は一路オランダに向かいます…なぜか?続きは、近日中にアップします。
最後に、私が国際学会に参加できるのも、同門会の皆様のおかげです。また、診療をフォローしてくださった医局員の先生方に心から感謝いたします。本当にありがとうございました。