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お知らせ

HNO2026 (97th Annual Meeting of the DGHNO)に参加して

HNO2026(97th Annual Meeting of the DGHNO)に参加して
近松 一朗

それは、2024年12月に、Ulm大学耳鼻科教授のThomas Hoffmannより、一通のメールを受け取ったことから始まりました。

Maybe you want to come to Ulm/Germany in May 26 in order to give a lecture on an immunological topic?

一瞬、躊躇の気持ちも芽生えましたが、家族はじめ 周りの方々から無理しても行くべきでしょう!ってことで、

Regarding the lecture in Ulm that you suggested, it looks like I will be able to attend. This would also be a great opportunity for me to visit Germany, so I would love to proceed with the plan.とお返事しました。

で、あとになって、そっかあ、ドイツ耳鼻科総会なんだと・・・。

発表準備に加え、ホテル予約、参加登録、スライドアップロード…。免疫アレルギー感染症学会と並行して進めるのは、なかなか骨が折れました。ChatGPTにもお世話になりながら旅の予定を詰めていきました。

唯一、「おお、海外っぽいな」と思ったのは、発表抄録についての連絡がなかったので問い合わせたら、「あなたは、招待講演なんだから好きなことしゃべってくれればOK、抄録なんかは不要だ」と言われたことです。…なるほど、そういう世界なのか、と少しだけ嬉しくなりました。

 

ドイツ耳鼻科総会(①②)では、international sessionがいくつか企画されており、

       
          ①学会会場のUlm Messe          ②開会式

invited speakerとして、今回はIntegrative Immuno-Oncology in Head and Neck Cancer – Linking Tumor and Blood Microenvironments –として、これまでやってきた頭頸部がんに対するがん免疫の講演をしてきました(③)。

      
       ③International Sessionで講演

 

Ulm:遠いです。自宅を出てからホテル到着まで約33時間。ドイツの列車は時間通りという勝手なイメージがありましたが、突然の運休もあり、DB(ドイツのJR)アプリは当然ドイツ語。到着時の気温10度が妙に身に沁みました。Ulmは、touristsが多く訪れる街ではなくて、自動車や医療関係企業の方が来る街とのこと、それでも世界一の尖塔を有するウルム大聖堂(④)や歴史ある旧市街地の落ち着いた雰囲気(⑤)は大変素晴らしかったです。また毎朝ドナウ川河畔(⑥)を散策するという贅沢な時間を過ごすことができました。なんせ、ドイツ総会ですから、基本ドイツ語、聴いてもわかりません。International sessionのみです。時間がたっぷりあるので、お部屋で仕事がサクサク進む・・・わけがありません、発表終わるまでは、落ち着かない緊張感で仕事が手につきませんでした・・・。

             
         ④ウルム大聖堂      ⑤Fisherman‘s Quarterの街並み      ⑥早朝のドナウ川

恩師Dr. Whitesideとの再会そして、Fellows集結:

今回、参加したいと強く思ったのは、ピッツバーグ留学時代の恩師、Dr. Whitesideに会えるからです(⑦)。そうです、彼女と同じセッションでの講演なのです。彼女は、exosomeの話題を講演されていましたが、御年87歳、いまだ現役で研究者やられています。発表論文数は900編を超え、一日3-4つの査読依頼が来るとのこと、Exosomeのことを熱く熱く語られるその姿は、とても87歳には見えません。何より、彼女の目の前で講演するなんて、ますます緊張しました。

学会終了後に彼女から来た下記のメールに、まだまだ頑張らねばと思った次第です。
I was very happy to learn that you are still actively continuing your research.
Your passion and energy remain truly inspiring to me.

      
        ⑦恩師Prof. Whitesideと再会

そして留学時代に一緒に研究したフェローたちと再会しました。写真はオーストリアのGraz医科大学腫瘍内科のProf. T. Bauernhofer(⑧)、Berlin Medical SchoolのProf. Andreas Albersです(⑨)。私の留学時代ラボにはドイツから多くのフェローがやってきていました。今はそれぞれの立場で活躍中です。25年ぶりに会ってハグして、当時を懐かしんだ次第です。

              
     ⑧Prof. T. Bauernhofer/Prof. Whitesideと     ⑨Prof. Andreas Albersと

 

ドイツ総会に参加して

発表を無事終え、T. Hoffmann会長より学会ロゴ入りのネクタイとペンを頂戴しました。開会式に始まり、企業展示や企業セミナー、Social Evening(⑩、⑪)までも参加させていただきました。日本との違いは?いろいろありますが、ここでは止めておきましょう。

おかげさまで3000名を超える参加者を迎えて無事終了しましたと、ドイツ耳鼻科総会からお礼のメールを頂戴し、私の役割も無事果たせたかなと安堵した次第です。

                 
        ⑩Social Eveningのオープニング    ⑪T. Hoffmann会長、Prof. C. Bergmann、日本医大・小川先生と

ドイツに行って感じたこと

食はフランス、スペイン、イタリアかと思っていたら、うまいじゃん!ドイツ!ソーセージ、プレッツェル、ヴィーナーシュニッツェル、ケーゼシュペッツレ、アップルサイダーなど堪能できました(⑫)。

      
       ⑫ヴィーナーシュニッツェルとケーゼシュペッツレ

列車は定刻通りかと思いきや、いい加減(日本の定刻通りの方がもはや異常なのかもしれません)。改札口がない、乗車中車掌が来ないこともある(ただ乗りでは?)。慣れれば良いのかもしれませんが、日本のシステムに慣れると結構ストレスですね。

Ulmだと英語があんまり通じません。標識なども英語表記ないです。Can you speak English? A little bit.の返事が多くて、私もA little bit.なんだけど・・・。道に迷っていたら、ご夫婦の観光客が地図くれましたが、ドイツ語だったんで、苦笑いです。

旅慣れているつもりでも、今回はちょっといつもの学会とは事情が違うので、ホテル予約で危うく詐欺に遭いそうになったことなども今となっては笑い話です。

 

さて、徒然と書いてきましたが、

25年前、ピッツバーグで肩を並べて研究していた仲間たちが、今回 Ulm に集まりました。当時は皆、目の前の実験と論文に必死でしたが、気がつけば、それぞれの場所で年月を重ねていました。

久しぶりの再会で感じたのは、「研究」というより、「人生は意外と長い」ということかもしれません。若い頃には見えなかった景色が、少しだけ見えるようになった気がします。

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