(Part 1)
(Part 2)
(Part 3)
時間との戦い再び:A race against time again
近松です。
Part 3の最後にあった、
翌朝ホテルから(今回、Lyftとともに使えるようになった)Uberで空港へ、サンフランシスコで乗り換え、残暑真っ盛りの日本に帰国しました。
という2行のなかには、実は壮絶な死闘がありました。
秀先生には大変心配かけて申し訳なかったですが、HPの管理係の彼から「学会報告記の番外編、期待しています」と冷徹なLINEが来ましたので、ここに記しておきたいと思います。
時間に十分余裕をもってサンディエゴのホテルを出て、Uberで空港へ向かった。
空港カウンターでチェックインするときに、走ったためでなく、年齢的な要因で息を切らしていたら、係員が一言「急ぐのか?○△X□?」のような事を言ったが、私は「急ぐのか?」のパートしか聞き取れなかった。
「Yeah」みたいなあいづち返事で搭乗券をもらい、その足で保安検査場へ向かったが、保安検査場直前で、サンディエゴからサンフランシスコのチケットの便が違うことに気づいた。
しかも、既に搭乗時間となっている!
急いでカウンターに戻り「あのぅ、チケットが前の便に変更になっているんですけど・・・」と伝えたら、係員は訝しげに「さっきお前がそうせい言うたんやんけ」と言う。
ここでやっと、最初のやり取りの意味が氷解した。
急いでいるように見えたのを気遣って、前の便へ変更してくれていたのだ。
「大変申し訳ないのですが、空港でやることがあるので、元に戻していただけませんか?」と丁寧に謝罪して、無事に元の便に変更してもらった。
気を取り直して再び保安検査へ、すると結構時間がかかっているではないか。
しかも私のチョイスした列はすごく厳しくて、中身を開けられてチェックされた。
この時は、チケットを本来の便に戻しておいてよかったと心から思った。
が、本当は私の行く手には大きな口を開けた悪魔が待っていたのだった・・・。
ゲートに移動しても、椅子に座って待っていると、ゲート変更案内が出る。
えっ?嫌な予感、でも出発時刻は変わっていない。
今回のサンフランシスコの乗り継ぎ時間は、1時間40分、入国審査なし、荷物のピックアップなし、保安検査場なし、しかもターミナル間は徒歩でOKなので、それほど心配していなかった。
すると、その後出発時刻が 9:20 から 10:37 へ、いきなり1時間17分遅れとなる。
これでは乗り継ぎ時間がたった25分しかないということで、体から血の気がす~っと引いていくとともに喉がカラカラになる。
と、そこへANAから、サンフランシスコの出発時刻が 50分遅れるとのメッセージが届く。
平素は「またかよ、たまには定刻に飛んでよ」って思っていたのに、今回はもっと遅れてくれとお願いしたいくらいだ。
この時点で、乗り換え時間が一気に 75分に延長される。
・・・と安心したのも束の間、サンディエゴの出発がさらに遅延し11:12になり、乗り換え時間は40分に縮まる。
一方で、ANAのサンフランシスコ出発時刻は、ずっと50分遅延のまま変わらない。
実は出発時間の変更は特にアナウンスはない。
モニターが一定時間ごとに更新されており、ふと見ると、出発時間が、本当にひっそりと変わっている。
この時点で予想はしていたが、サンディエゴの出発時刻はさらに遅延してゆく。
11:50の出発になった時点で、サンフランシスコ到着は13:20、そして出発は13:30発、ということで、乗り換え時間、なんと10分のみ!!!
まさに、「帰れま10」です。
ここで、覚悟を決めた。
なにが必要で、どうやって手に入れるか?
実は、スーツケースは最初の搭乗券の飛行機に載ってサンフランシスコに到着しているので、そのまま国際線に載せられて、成田に向かうと思う。
下着もなければ、翌日の服もない、常用薬も、歯ブラシもなし。
できることからやろうと、PCを開いて、サンフランシスコ空港の周辺のホテルをチェックして、サンフランシスコ空港でTシャツやパンツ、歯ブラシなど購入できるお店がないか、調べ始めた。
と、ここでふと、このままサンフランシスコ行っても、翌日の飛行機ってどうなってるの?遅延証明書は?それないと保険も出ない。
ということで、カウンター前の長蛇の列に並ぶ・・・。
当然、全然進まない!
出発時刻は11:50から変わらず、列に並んでいると、ゲートが開いて、優先搭乗が始まった。
しょうがない、このままサンフランシスコに行って、まずは10分にかけてみる(賭けてみる&駆けてみる)ことにした。
乗り遅れても、ANAのカウンターに行けば、日本語が通じる係員さんもいるので、もしもの場合はごねることもできそうだと・・・。
さて、国内線は11:50にかっちり出発して、13:20きっちりにサンフランシスコに到着した。
機内のアナウンスでは、非常にタイトな乗り継ぎのある人がいるので、そのような方を優先してくださいとアナウンスがあったが、ポーン♪の音とともにほとんどの人が立ち上がる。
後ろのおばあさんが「あたしは次の便が13:50なのよ、30分しか時間がないのよ」と言ってたけど、いやいや私は13:30なんだよ、と思わず言葉が出そうになった。
さて、飛行機から出たら、なんと残り時間たったの8分。
Dash、Run, Run, and Run…!!
しかし、いつも来る空港でもないため、スタートダッシュは無残にも逆方向、交差点ではどっちだどっちだと髪を振り乱し、オジサンはとにかく走った。
そして走ること数分、国際線ターミナルの角を曲がると、ANAの青い翼が見えた。
まだ、ゲートは離れていない!
ターミナルは2階なので、一気にエスカレーターを駆け上がろうと思ったら、昇りは工事中で動いていない。
階段を一気に駆け上が・・・・・れません(涙)。
それでも、おりゃあ~って気合い入れて、脚を引きづりあげながら2階へ、ちょうどそのとき、This is final announce….って、放送が聞こえた。
再び階段を降りると、まさに最後の数名が搭乗中。
ANAのカウンターに倒れこむように駆け込んだ。
なんだかマラソンのゴールみたいだ。
はあ、はあ、ぜい、ぜい、と息は上がり、さらにヒラメ筋が攣ってしまって、まさに満身創痍、荷物も挙げられない状態で機内に転がり込む。
ああ、間に合って良かった。
・・・今、帰国の機内で、この席に座っていられる幸せを、心より噛みしめながらこの原稿を書いています。
海外(主にアメリカ)に年に2回程度行きますが、こういう事例は日常茶飯事なんでしょうか?
みなさん、黙って対応されているのでしょうか?
兎にも角にも、今回の件で、次回からはもっとトラブルに対処できるようにしておかなければならないとしみじみと感じた次第です。