こんにちは、松山です。
第64回日本鼻科学会が東京ドームホテルで開催され、参加してきました。
鼻科学会は、他大学との交流がとても盛んな学会です。初日の大規模な飲み会、2日目の学会懇親会、そしてその後の2次会まで、どこも大賑わい。あちこちで「群大は一人なの?」と声をかけられました(笑)。…はい、今回は単独でしたので、そういう意味でももっと頑張らねばと思いました。
現在、埼玉医科大学病院に国内留学中の河本先生は、埼玉医大の先生方と楽しそうに活躍していました。「周りの人たちがすごく頑張っているので、自分も自然とそういう環境に慣れていく」と話していて、その言葉が印象的でした。
学会会場ではやはり鼻形成手術に変化を感じられます。当科でも今後、hemitransfixion手術やOSRP(open septorhinoplasty)手術など、鼻中隔矯正のⅢ型・Ⅳ型にも積極的に取り組んでいこうと感じました。
特別講演では、「ジャパンハート」設立者の吉岡秀人先生がお話しくださいました。吉岡先生は30歳で単身ミャンマーへ渡り、軍事政権下で電気も止まるような環境、銃声の響く中でも診療を続け、そこから今の大きなジャパンハートを築き上げた方です。大変面白く、心に残る講演でした。
その講演の中で、特に心に残ったお話があります。ある医学生から将来について相談を受けたときの吉岡先生の言葉です。
「人間は年をとると高音(モスキート音)が聞こえなくなる。でも、それは聴覚だけがわかっている話で、ほかの機能やすべての細胞もそうなのだと思います。年を重ねると、知らず知らずのうちに機能が落ちていて、いろいろなことが吸収できなくなるのだと思います。だから、若いうちにいろんな世界に飛び込んで、多くのことを吸収してほしい。」
1日でも1年でも遅れると、どんなに頑張って学んでも自分の力にならない。だって、吸収できないんだもん。そして、吸収できていないことにさえ気づかないんだもん。
私自身、すでに“手遅れ”なことがたくさんあるんだろうな…と感じつつ、残りの人生、少しでも多くのことを吸収しようと思わされたのでした。
本出張を支援してくださった医局の皆様、同門会の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
松山敏之