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学会参加記 AHNS2026@Boston 本編

AHNS2026@Bostonに参加して ― 近未来を感じた3つのこと、そして15年越しのクラムチャウダー

2カ月ぶりに学会報告を担当する近松です。
今回は7月18日から24日までボストンで開催された12th International Meeting American Head and Neck Societyに参加してきました。自身の研究に役立つ知識を得られたと共に頭頸部がん治療の近未来を予感させてくれる学会でした。

近未来の頭頸部がん医療編
頭頸部がんの基礎から臨床までが幅広く議論されるこの学会、いくつか興味深いテーマがありました。

  • 免疫チェックポイント阻害剤のペンブロリズマブ皮下注(Keytruda Qlex)が世に出てきました。頭頸部がんへの適応はまだですが、近い将来免疫チェックポイント阻害剤は皮下注になりそうです。1‐2分で終わるなんて・・・、医療側の手間は大きく省けますし、化学療法室の混雑緩和にもなります。
  • HPV関連がんは予後良好ですが、「本当に治療を軽くできる患者さんは誰なのか?」というテーマが、さらに深く検討されています。血液中のctDNAやがん細胞の遺伝子変異などいろいろなアプローチが試みられています。HPV関連がんも、一括りではなく更に細かく層別化されていきそうな予感です。同時に頭頸部がんでの血中ctDNAによる微小残存病変の同定なども臨床応用されそうです。
  • AIは、診断や予後予測だけではなく、もう一歩先の画像・病理・臨床・分子情報を統合して診療に生かす「Multimodal AI」の時代へシフトしてきています。この領域は発表数が大きく伸びており、こちらも今後の臨床への応用ももう間近な予感です。私たち医師は、この技術をどう使いこなしていくのか―そんなことも考えさせられました。

 

孤独のグルメ編
このような学会は、大都市で行われることが多く、私は3度目のボストンということもあり、もはや観光に行きたいところもなく、完全に食にfocusを合わせての渡米でした。

ボストンと言えば、ロブスターとクラムチャウダーです。実は2011年にボストンに行った際に、ふらっと立ち寄ったレストランで食したクラムチャウダーがとても美味しく、もう一度食べたいと、ずっーーーと思っていました。

 

しかしながらレストランの名前を覚えておらず、美味しかった記憶のみが頭の奥深くに沈み込んでいました。ヒントは15年前の1枚の写真のみ(写真左)、ボストンに行くことが決まって、おぼろげな記憶を手繰り寄せ、生成AIも駆使して、ようやく見つけました。皿が変わっていましたが、サラッとした食感でありながらコクのあるこのクラムチャウダー絶品でした(写真右)。死ぬまでにやり残したことの一つを達成できたような気分です。実はこのひと皿も含めて滞在中5回もクラムチャウダーを食べてしまいました。そして、ロブスター。前日みんなでSteamされたロブスターを堪能したのですが、おやじな私にはこちらが好みのロブスターロール、一緒に頂かせてもらいました。15年越しの思いが叶った瞬間です。

アメリカ行くといつもはステーキなのですが、今回はロブスターに主役を奪われた状態でしたが、やっぱりお肉は食べておかないと・・・。実験室の備品を買いにUberで20分ほどの郊外のお店に行った際、ボストンで美味しいと評判のBBQのお店を見つけ、じっくりスモークされたブリスケット(牛肩バラ肉)とホロホロのプルドポークを半分ずつ注文し、上品なマカロニチーズとともにいただきました。味変のソースはどれも美味しかったです。

次回の本学会は、2029年7月サンフランシスコです。私はもう退官していますが、懐事情が許せば行ってみても良いかなと思っています。でも、演題出すにはもうひと頑張りってところでしょうか?

このブログをお読みの皆さんには、またいつもの定型句かと思われるかもしれませんが・・・。

学会の目的は勉強することですが、発表に至るまでのプロセスで実は参加当日までにかなり多くのことを身につけています(疾患の知識はもちろん、論理的思考、プレゼン能力、まとめる力など)。本人には自覚がないだけで、実はパワーカウンターは上がっているのです。ですから発表の本番が終わったら、一息ついてまた別の人生の糧を得ることは良いことです。若いうちに、是非こういう経験をしてもらうことを願っています。経験の積み重ねは、次のステップへの閾値を下げてくれます。あとになって戻ってやり直すことはできません。

“Experience is the teacher of all things.”
― Julius Caesar

 

 

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